『アズレン』シナジー効果と史実を紐解く(4):飛龍と蒼龍

著者:ゲーム★マニアックス編集部

『アズールレーン』(以下『アズレン』)に登場する艦船は、おもに第二次世界大戦当時の枢軸国、連合国が保有していた艦船をモデルとしており、艦の中には同時に出撃させることにより大きなシナジー効果を得られる組み合わせがある。この記事では、知っていると便利な組み合わせと、元となった艦の史実エピソードについて解説しよう。


重桜「二航戦」


▲紺色の髪と耳のキャラクターが姉の蒼龍。大きな眼鏡が知的な印象を醸し出している

 

▲白い髪と耳のキャラクターが妹の飛龍。姉である蒼龍のくるぶしと脚線美がお気に入り

レッドアクシズ陣営である「重桜」に所属する飛龍と蒼龍は、同艦隊で出撃した場合に発動する「二航戦」スキルを保有している。

このスキルはLV1の時点で飛龍・蒼龍自身の航空値を15%上昇させる効果がある。LV 10まで成長させれば35%上昇するため、スキルレベルを上げる意味は十分存在するといえるだろう。

 


▲二航戦の発動。強力な艦載機攻撃で敵勢力を駆逐する

飛龍・蒼龍の入手方法

2018年1月現在、建造での入手は不可能で、ドロップのみで入手が可能だ。ドロップエリアは3-1、3-2、3-3。SRのキャラクターなのでボスだけではなく、道中の艦隊撃破時でも手に入る可能性がある。ドロップ率はそれほど高いわけではないが、3-4のボスマスのみで入手可能なSSR航空母艦、赤城と加賀に比べれば入手はしやすいだろう。

 

一航戦・五航戦との比較

飛龍・蒼龍を運用する場合、どうしても比較対象となるのが、同じ重桜に所属する赤城・加賀翔鶴・瑞鶴だ。

赤城・加賀が保有する「一航戦」スキルの航空値上昇分は「二航戦」と同様に、LV1で15%。LV10で35%となっている。上昇率は同じだが、赤城・加賀はSSRのキャラクターであり飛龍・蒼龍よりも基本性能が高いため、赤城・加賀の方がより強化される形となる。

また、赤城・加賀が保有する「先手必勝」スキルは、一回目の航空攻撃の装填時間を大幅に短縮する効果を持つ。先手を取って強力な航空攻撃を叩きこめる側が戦闘時には有利であるため、戦闘能力面では赤城・加賀に軍配が上がる。


▲「一航戦」と「先手必勝!」のコンビネーションによる先制航空攻撃の威力は圧倒的だ

翔鶴・瑞鶴の保有スキル「五航戦」スキルは、 自身の航空性能をLV1で8.0%、LV10で20%アップさせるが、翔鶴と瑞鶴で副次効果に違いがある。翔鶴は受けるダメージがLV1では4.0%、LV10で10.0%増加し、瑞鶴は逆にダメージが減少するという特性を持つ。これは史実で翔鶴・瑞鶴が共に戦闘に参加した際、翔鶴ばかり損傷したことを反映しているのだろう。

これだけ見ると翔鶴は沈みやすい空母と思われるかもしれないが、翔鶴のスキル「守護の鶴」は航空攻撃発動後、LV1の時点で受けるダメージをLV1の時点で4.0%、LV10では10.0%減少させる効果を持つ。更に味方の与えるダメージを12秒の間、LV1の時点で4.0%、LV10では10.0%増加させる効果もある。こちらのスキルを上げておけば、「五航戦」スキルのデメリットは相殺し、ダメージ上昇分の恩恵だけを受けることができる。「五航戦」を先に上げたいが、どうしても受けるダメージが気になるのであれば「夕暮」のような空母へのダメージを減少させるスキル持ちの艦を合わせて編成するといいだろう。

瑞鶴が保有するスキル「奮迅の鶴」も、航空攻撃発動後に次回の航空攻撃のダメージをLV1で8.0%、LV10で20%上昇させる効果を持つ。さらにこのスキルは複数回発動した場合、効果が累積するため、撃破に時間がかかる強力な敵との戦いで有利となる。


▲夕暮の「随伴空母」スキルの発動。彼女は史実でも五航戦の護衛を務めている

 

これら重桜のSSR空母たちが保有する強力なスキルに対し、蒼龍が保有するスキル「編隊空母」は、発動時に前衛艦隊の与えるダメージが8秒間、LV1では5%、LV10では15%上昇する。有効なスキルではあるが、比較するとどうしてもワンランク落ちる。

飛龍のスキル「飛龍ハ健在ナリ」は、 致命傷を受けた時に戦闘不能にならず、LV1では5秒間、LV10では15秒間攻撃を回避し、航空攻撃を一回発動することができる。他に無敵時間を発生させるスキルは複数存在しているが、エンタープライズの「LuckyE」で8秒、エルドリッジの「レインボー・プラン」でも10秒のため、かなり強力ではある。しかし致命傷にならなければ発動しないため、使いどころが難しい。

 

飛龍・蒼龍の使いどころ、じつは燃費がいい!

こうして書くと飛龍・蒼龍の出る幕はなさそうだが、そんなことはない。むしろ、使いようによっては一番出番が多い航空母艦にもなりうる可能性を秘めている。

飛龍・蒼龍がSSR空母に勝る部分。それはずばり、燃費だ。


▲僅かな差だが、一周で五回戦闘をすると、10の燃料を節約できる

『アズレン』のプレイにおいて、必ずと言っていいほど立ちはだかる燃料不足問題。日々燃費のよい編成を組もうと頭を悩ませている指揮官も多いはずだ。SSR空母を投入するほどの難易度ではないが、軽空母では心もとなく、航空母艦2隻が必要な航空値を必要とする海域こそが、飛龍・蒼龍を活かせる戦場となる。装備や他の艦の編成によっても有効な海域は異なる。蒼龍・飛龍は独自の編成を編み出す選択肢の一つとして考えよう。筆者は高い航空値を要求されるハード海域で運用した結果、気付いたら両艦共にレベル100まで上昇していた。

三段階の突破を済ませた時点での消費燃料は、赤城・加賀が13。飛龍・蒼龍は12。わずかな差ではあるが、周回を重ねれば大きな差となる。突破を一段回目、二段階目で止めておけば更に燃費は良くなる。燃料の一滴は血の一滴。節約できるところは積極的に削りたい。

 

日本初の本格的空母・蒼龍

『アズレン』蒼龍のモデルとなったのが、 旧大日本帝国海軍の航空母艦「蒼龍」だ。

「蒼龍」は既に建造・運用されていた「鳳翔」「龍驤」「赤城」「加賀」らから得られた知見を元に設計された。

そのため、航空母艦黎明期の設計である「鳳翔」、建造中の戦艦から再設計された「赤城」「加賀」、小型かつ設計に苦心した「龍驤」らと比較すると空母としての完成度は高く、日本初の本格的空母とも呼ばれている。


▲建造中の蒼龍(写真はwikipediaから)

ワシントン軍縮条約およびロンドン海軍軍縮条約により、空母の保有非水量を81000トンに抑えられた日本は、「赤城」「加賀」「龍驤」分を差し引いた12630トンに加え、「鳳翔」を廃艦とする計算でねん出した21000トンを使用し、後に「蒼龍」「飛龍」と名付けられる1万トン級の空母2隻を建造すると決定する。

当初は1万トン級として設計され、1934年(昭和9年)11月20日に起工された「蒼龍」だったが、まだ航空母艦の運用が固まる以前の時代だったため、航空母艦としての能力に加え巡洋艦クラスの武装が要求されるなど、設計が迷走する。

加えて1935年に発生した、台風により艦隊の強度や設計に問題があることが露呈した海難事故、第四艦隊事件の勃発により、構造調査のため進水後の艦体を二つに輪切りにして調査を行なうなど、建造は困難を極めた。

とはいえ蒼龍にとって幸運なことに、建造開始直後に日本はワシントン軍縮条約から脱退し保有排水量の制限が無くなり、大幅に性能が強化されることとなった。最終的には基準排水量15900トン、満載排水量は20000トンを越えるという堂々たる中型空母として、1935年(昭和10年)12月23日に進水、1937年(昭和12年)12月29日に竣工を果たす。

 

蒼龍の改良型、飛龍


▲配備を待つ飛龍(写真はwikipediaから)

 

1936年(昭和11年)7月8日に起工した飛龍は、1937年(昭和12年)11月16日に進水。 1939年(昭和14年)7月5日に竣工を果たした。

「飛龍」は厳密に言えば「蒼龍」の同型艦ではない。たとえば「蒼龍」の艦橋は右舷に配置されているが、「飛龍」では左舷に配置されている。これは右舷に設置された煙突とのバランスを取るためであったが、「飛龍」が「蒼龍」の艦載機を受け入れたとき、「蒼龍」パイロットたちが無意識に飛行甲板左に着艦して艦橋に接触するという事故を起こしている。

他にも左舷艦橋は様々な問題を引き起こしたため、後に「飛龍」を原型として設計された雲龍型空母では、艦橋は右舷に移されている。

二航戦への配備

飛龍・蒼龍の代名詞とも言える二航戦こと第二航空戦隊が編成されたのは1934年(昭和9年)11月15日。当初は「赤城」と
護衛の駆逐艦「峯風」「沖風」の3隻で構成されていた。


▲二航戦初代旗艦、赤城。妹とは飛龍と蒼龍だろうか

その後、「赤城」「加賀」「龍驤」が持ち回りで二航戦の旗艦を務める。「蒼龍」竣工後は彼女が旗艦を務め、 1939年(昭和14年)11月15日に「飛龍」が加わり正規空母二隻での編成が確立。以後、ミッドウェー海戦終結まで編成が変更されることはなかった。

真珠湾攻撃

アメリカとの和平交渉が暗礁に乗り上げ、開戦やむなしと判断した日本は、1941年12月8日未明、真珠湾への攻撃を行った。「飛龍」「蒼龍」も一航戦の「赤城」「加賀」および五航戦の「翔鶴」「瑞鶴」と共に攻撃に参加。多数の戦果を挙げるが、目標とされていた空母「エンタープライズ」の捕捉に失敗。後の戦局に大きな問題を残すこととなってしまった。


▲エンタープライズは後のミッドウェーの戦いで米軍の主力を務めた。

 

セイロン島沖海戦

真珠湾攻撃後、ウェーク島攻略時の航空支援やオーストラリアへの空襲任務に就いた「飛龍」「蒼龍」は多数の僚艦と共に1942年4月、イギリス東洋艦隊との決戦に臨んだ。この戦いは日本海軍の圧倒的勝利に終わり、空母「ハーミーズ」、駆逐艦「ヴァンパイヤ」、重巡洋艦「ドーセットシャー」らを沈めている。

 


▲イギリスの重巡洋艦ドーセットシャー。「飛龍」「蒼龍」艦載機部隊の圧倒的な練度の前にあえなく散った

この戦いにおいて、江草隆繁少佐率いる「蒼龍」艦爆隊は、「ドーセットシャー」らに対する投弾成功率87%という驚異的な命中率を叩き出した。「ハーミーズ」に対する「飛龍」艦爆隊の攻撃成果も成功率82%であり、猛訓練を積み実戦を経験した艦載機部隊の恐ろしさを世界に知らしめた。

このように開戦以来連戦連勝と勢いに乗っていた日本海軍及び二航戦だったが、この勢いが油断と慢心を呼び、ミッドウェーでの大敗を招くこととなったのは皮肉としか言いようがない。

ミッドウェーの散華

ミッドウェーの戦いについては以下の記事が詳しい。ぜひ一読してもらいたい。

【アズレン】航空母艦エンタープライズ:ヨークタウン級、蒼海の三姉妹

最初に被弾した「加賀」から遅れること数分、午前7時25~28分ごろ。必死の回避運動も空しく「蒼龍」が「ヨークタウン」艦爆隊による攻撃を受け、1000ポンド爆弾三発を被弾。一発が格納庫下段、二発が格納庫上段で炸裂し、格納庫に運びこまれていた魚雷と、出撃のために待機していた爆弾満載状態の九九式艦上爆撃機が次々と誘爆。

艦内では火災が発生し手が付けられない状態となり、午前7時45分に総員退去の命令が下される。その後いったん火勢はおさまり、生き残りの人員が再度乗艦を試みるが、直後に爆発が発生し再度退去。午後4時15分ごろ、日没とほぼ同時に「蒼龍」はミッドウェーの海に没したのだった。

飛龍の反撃

 


▲飛龍の決死の反撃によりヨークタウンは大破する

「赤城」「加賀」「蒼龍」の三空母が沈み、戦えるのは「飛龍」ただ一隻となった。「エンタープライズ」「ホーネット」「ヨークタウン」の三空母を相手にすることとなった「飛龍」は、零戦6機、九九艦爆18機からなる一波攻撃隊を発進させると、沈んだ三空母の艦載機部隊の生き残りを含めた第二波攻撃隊を編成。

攻撃隊は「ヨークタウン」に波状攻撃をしかけ、これを大破せしめる。その後、曳航中の「ヨークタウン」は日本海軍の潜水艦「伊168」によってとどめを刺された。

飛龍の最後


▲大破炎上する飛龍(写真はwikipediaから)

更に第三波攻撃をしかけるべく準備を進めていた飛龍だったが、米軍三空母を発艦した艦載機部隊がついに「飛龍」を捉えた。

必死の防空戦闘も空しく、1000ポンド爆弾4発を被弾した「飛龍」は大破炎上。戦艦「霧島」による曳航も検討されたが、破損が酷く中止となる。

6月6日午前0時15分、総員退去命令が出された後、米軍の手に落ちる危険を考慮し、処分が決定。駆逐艦「巻雲」の魚雷を受け、敗北した戦場で孤軍奮闘した「飛龍」は、「蒼龍」の後を追うように海中にその巨体をゆだねたのだった。


『アズールレーン』公式サイト

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